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文京区乳癌健診指定

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肝・胆・膵内科専門外来
東大病院 消化器内科
佐々木隆先生
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早期の膵癌に対する治療の基本は外科的手術です。しかし転移がある場合や、転移がなくても周囲の重要な血管や臓器に癌が浸潤している場合には、手術の適応としないのが一般的です。現状では手術適応となる段階で発見される膵癌は全体の10~15%程度と言われております。膵臓の手術は、癌ができる場所によっては大手術となります。そのため一般的な手術適応から外れる状況で手術を行う場合には、十分理解したうえで治療を受けることが必要です。時には手術後身体が回復するまでの間に再発してしまうことさえあります。
手術適応とならない膵癌に対する標準的な治療は抗癌剤治療です。主に使用される抗癌剤はジェムザール(点滴)とティーエスワン(飲み薬)となります。この2つの薬をうまく使って治療するのが現在の治療の中心です。ジェムザールもティーエスワンも副作用が比較的軽微であるため、外来で投与されるのが一般的です。一方で局所にとどまる膵癌に対しては時に放射線治療を行うこともあります。しかし膵癌に対しては現在の保険適応内の治療だけでは限りがあるため、多くの施設で治験や臨床試験が行われています。これら新規の治療法のなかから今まで以上の治療成績が出てくる可能性がある一方で、未知な点もあることを十分に理解したうえで治療を選択する必要があります。
膵癌では、癌のひろがりによってその近くを通る胆管が閉塞してしまうことがあります。胆管は肝臓で作られた胆汁を十二指腸に流す管であるため、閉塞すると胆汁が流れなくなり、黄疸の症状が出ます。黄疸になると皮膚や白目が黄色くなり、また尿がウーロン茶のように濃くなります。さらに便の色は胆汁の色からなっているため、胆汁が十二指腸に流れなくなると、真っ白な便が出ます。このように胆管が閉塞して黄疸になると、肝臓に負担がかかるばかりでなく、流れなくなった胆汁に細菌がついて、全身に菌がまわり敗血症から命を落とすことさえあります。そのため、速やかに胆汁が流れるように管を通してあげる必要があります。
管を通す方法として、(1)内視鏡を用いて管を埋め込む方法(略してERCP)と(2)おなかの表面からチューブを刺して管を胆管に入れる方法(略してPTBD)があります。PTBDでは体外に管が出るため、退院後も管の管理を自分で行う必要があります。一方で内視鏡を用いて管を入れるERCPでは体外に管が出ないため、その後の生活はしやすくなります。
一度詰まった胆管に管を通しても、再度閉塞することがあるため、定期的に採血などをして、管が詰まっていないかチェックする必要があります。管が詰まってくると、再度黄疸になり、細菌感染を起こしたりすると高熱が出ます。そのような場合には速やかに管を交換する必要があります。
このように胆管閉塞に対する治療は、膵癌治療において非常に重要な要素となります。胆管閉塞に対して適切に対応できないと、十分な抗癌剤治療もできません。膵癌治療においては、この両者を十分に対応できる施設で治療を受けることが極めて重要となります。
膵臓の近くには胃や十二指腸があるため、膵癌が胃や十二指腸を閉塞することもあります。胃十二指腸が閉塞すると、食べ物が通らなくなります。このような胃十二指腸閉塞に対して外科的なバイパス手術が多くの施設で行われています。それに対して海外では内視鏡を用いてステント(金属の針金で作った筒)を埋め込む治療が一般化しつつあります。バイパス手術と比較して、その後の食事制限があったり、消化管が複数の場所で閉塞している場合には埋め込むことができないなど、適応には制限があります。しかしステント治療は手術のような負担はないため、バイパス手術に代わる治療として期待されています。日本においても2010年に保険承認となるため、今後多くの施設で消化管ステントによる治療を受けることができるようになると考えられます。
膵癌治療の特徴としては、外科治療も内科治療も専門性が高いことが挙げられます。手術も難易度が高いため、一定件数以上の膵臓の手術を施行している施設での手術が推奨されています。一方で内科治療においても、抗癌剤治療の知識だけでなく、胆管閉塞や消化管閉塞に対する処置の技術も必要となる領域です。そのため双方を兼ね備えた施設での治療をお薦めします。